2012年9月22日土曜日

フォトグラファーが考える、ムービー・動画撮影とファッション・人物撮影


動画からの切り出し画像(一コマを出力)でも印刷データとして使える解像度のカメラ



2008年末に発売された EOS5Dmark2などのデジタル一眼レフカメラでのムービー撮影が可能になってから、もうすぐ4年。スチールカメラマン、フォトグラファーが、ムービー撮影をする事も珍しくなくなり。
価格も100万円を切り出した、新たなスーパーハイビジョン的な、EOS-1D C・C300・C100などの4K(4096×2160画素)ムービーカメラの機種も増えてきました。  

映画の世界では8k(横7680px)など使われていますが、一般にはまだ高価すぎます

35万画素位でソニーからサイバーショットが出た頃から比べらたら、進化したもので、人間の目のスペックを超えるのも近いのでしょうか、人間以上の性能のロボットなどに使われるのだろうなと、話を飛躍して想像します。

私が初めて、ムービー撮影したsonyHi8の映像をVHSのテープに残してあるのですが、当時はコンパクトカセット蒸着テープを使用していて、綺麗な映像だなあと感じていました。
2012年の今、その映像を見ると単なるレトロ映像にすぎません。いまの1920pxのフルハイビジョンと見比べると、まるで今のハイビジョン画像にフィルターを2枚位かけてしまったような画像が20年前の映像です(ある意味ソフトモザイク)。4K映像のテレビ、ムービーが家庭用に普及すれば、いまのフルハイビジョンも古い映像に感じてしまうのでしょう。

進化するのは、映像機器だけではなく、PC・編集 レタッチをするソフトウェアも加速度をまして、使いやすく、高性能になっています。軽いデータならスマートフォンでも編集が出来るみたいですね。
(Hi8の撮影当時はタイトルも印刷したものを撮影していましたね)

特に3D製作に使用するソフトは今の3Dアニメーション映画を見れば分かるように、限りなく実写に近づいています。被写体(オブジェクト)によっては実写以上、映り込みやカメラアングルの物理的制約が無い分、カメラで撮影する以上の動きやスピード感などが可能です。

物事の進化に対応していくのは、好きな事でなければ、苦痛を伴うものですが、
私の場合は、映像関係の事には、寝食忘れる程、没頭出来るので、幸いです。
(購入予算が着いてきませんが・・)

あるニューヨークのフォトグラファーは4Kムービーカメラを使用してファッション・モデル撮影をしていました。
1分ほどカメラで録画して、その中の1800コマ位のなかからベスト・ショットを選んで、雑誌・広告の印刷用データに書き出し・切り出しをして、撮影が完了しています。
(ブレを無くす為、シャッタースピードをギリギリまで上げて、照明にも工夫がされていました。)

RED ONEと言うカメラが登場して時点で起きている撮影方法が更に身近になりつつあり、実際にEOS-1DCで、
試すフォトグラファーも増えるでしょう。

来年あたりから、ファッション撮影・アーティスト撮影・宣材撮影・人物撮影の撮影環境が大きく変わると感じてます。 EOS-1DC欲しいですね。

続きは次回で(購入出来たらレポートも)

                              16:9 ほぼ黄金長方形のフォーマットが基本になりますね。

2012年7月7日土曜日

フォトグラファーによる人物撮影の露出の測り方

人物撮影での、適正露出と言うのは、被写体、服の色、背景、照明、自然光の当たり方などで、変化します。

また意識的に暗め(ローキー)にしたり、明るめ(ハイキー)にする場合も多く、女性のポートレートなど、ギリギリまでハイキーに飛ばした写真を日常的に雑誌のグラビアなどで見ることが出来ると思います。

フィルムでポートレート撮影していた頃は入射光式の露出計(カメラ内蔵の露出計は、反射光式)で被写体・モデルの顎の下あたりでトップライトを切った露出から、2絞り(2段)明るめに撮る事が普通の事でしたが、デジタルカメラの撮影では、ハイキーに飛んでしまうと、飛んだ部分の画像がトーンジャンプしたり、真っ白になって何もデータが残らない状態になるので、ギリギリまでハイキーな写真を狙って撮影する事もなくなりました。

あえて、適正と思える露出よりも、やや暗めに撮影するのが、いまのデジタルカメラの撮影方法に
なっています。

露出計を持ち歩く、フォトグラファーも減って、持っている人の方が珍しい位になってきました。

入射光式の露出計を使うのは、被写体・モデルに当たっている照明の明るさを正確に知ることの出来る、唯一の手段なので、必須アイテムです。トップライトとサイドライトを正確に2絞りの差にする事など、撮影して画像を見ながらのチェックより、入射光露出計を使ったほうが遥かに正確で安定した撮影データが取れます。

フィルムの撮影時では、アシスタントの仕事は、適正露出の決定とフィルムの管理でした。
アシスタントはフィルムの番号を書いたり、現像の支持を記録したり、ポラロイドの裏に絞りと
シャッタースピードなど、書いたりするので、責任も重く、通常、野外でモデル撮影などの場合、
アシスタントは、2名(ファーストアシスタントと、セカンドアシスタント)が必要でした。

デジタルカメラでは、レフ板、ストロボの調整、荷物運び位になり、アシスタントが1名でもロケ撮影が普通に出来るようになりました。

それでも変わらないのは、入射光式の露出計を使用することです。

私の周囲では、アシスタントとカメラマンが露出計で、情報を共有している、撮影現場を最近は見なくなりましたね。

露出計は割と高価な機材なので、デジタルからスタートしたフォトグラファーはまず、
買わないのでしょう。私が最初に買ったミノルタストロボメーター4型は7万円ほどしました。

ストロボ撮影が多い撮影では、ライト1灯ごとに、光量を調節するために、サイドはF11、トップはF16
バックはF22などと、調整するのでストロボメーターなしでは、撮影のデータを残す事も出来ません。

光の量を測るために是非、持っていて欲しい機材ですね。


夏の日差しも演出も計って演出します。





2012年6月16日土曜日

人を撮る仕事 フォトグラファー

人物撮影の呼び方・ジャンルは様々ですね、ポートレートとも呼ぶし、モデル撮影とも、顔写真、ファッション撮影とか、グラビア撮影、宣材撮影、オーディション用撮影、ジャケット撮影など、多種に及ぶ人を撮影する仕事が存在します、プリクラと携帯デジカメ、10万円以下の高性能一眼デジタルカメラの登場で誰でも気軽に写真を撮るようになって、写真撮影の難しさのハードルは消えました。その一方、人を撮影する事を仕事にする事はライバルが多く、厳しい世界になっています。
アシスタントの募集すると9割以上の方はファッションや人物を撮影したいと希望してきます。そして、その8割以上は挫折していきます。

私自身は20歳の頃はスチルライフ志望で、商品撮影、静物イメージを主に活動して行きたいと思ってきました。
周囲のアシスタント仲間は「え、まじで」と言うような反応でした。

私自身を含め、多くのフォトグラファーは広告や雑誌・WEBで、人物以外の商品撮影をしてフォトグラファーとして収入を得ている方が多数います。写真(今は動画も必要)で生活していくと言うのは、楽じゃないし、先行きも不透明で不安定です。人には勧めません。

人物撮影の仕事をもっと増やしたいと感じたのは、
あるフォトグラファーにフランス・パリで出会ってからです。
当時はフィルム撮影です(1回の現像・フィルム代で3000円位)、彼は15枚撮りのフィルム1本で、モデル(フランスでマヌカン)のコンポジット用の撮影をしていました。
同じモデルの同じポーズのバリエーションや同じシチュエーションは1枚以上は撮影せず。全て背景もポーズも衣装も違うカットを丁寧に1カットずつ撮影しており、仕上がったフィルムを見ると、全てのカットが、OKカット(使えるカット)でした。確認用のポラロイドも使わず、
露出メーターのみでイメージに合う適正露出を割り出して、撮影で全てを完結させていました。

日本で見ていたファッションフォトグラファーは、アシスタントにフィルムを何回もチェンジさせて、12枚~36枚のなかから、1枚をセレクトする、連写式のフォトグラファーが多いので、彼の撮影方法は衝撃でした。(単に節約の為かもしれませんが)
モデル一人撮影して、1999年当時で1000フランのお礼を事務所から、彼は貰っていて、私にもやってみたらいいと進めてくれました。

その頃から、人物撮影の作品撮り(テストショット)を始め、
単純な私は、人物しか撮影していないフォトグラファーよりも、静物撮影を主に撮影しているような自分が人物撮影をした方が、自分にしか撮影出来ない独特な人物写真、ファッション撮影、肖像写真が撮れるはずだと信じて、人物撮影の作品を撮り続けています。

時代は進んでゆくのが常ですが、今では動画の1コマを切り出して、
写真として十分使えるように、なってきました。
3DCGなど想像する映像は全て実現可能になる時代になって、フォトグラファーに必要なのは、絶対的な審美眼と、信じられる仲間やチームなのかと思っています。

まとまらない雑文ですが、まずはここまで。