2013年2月26日火曜日

フォトグラファーによる野外撮影・オープン撮影での申請許可って・・

プロフォトグラファーの野外ロケでの人物・ファッションシューティング

野外・オープンロケをする場合の注意点をお話します。ファッションカタログや雑誌で、
公園や公道を使用する事はよくある事ですね。

ロケハン(ロケーションハンティング)撮影場所の下見をして、本番の撮影でのアングルを確認して、
撮影場所によって申請許可を取ります。


道路に面した場所なら道路許可証や、公園なら公園の撮影許可証が必要になります。
許可の仕方は場所によって様々ですが、おおよそ一週間前に許可申請するところが多いです。
前日や当日はまずNGです。


江東区の木場公園などは、1週間前に、公園事務所に申請を出さなくてはいけません。
申請する時は使う場所と時間帯、掲載される媒体の説明や、
あればデザインラフの提出なども、求めらる場合があります。
使用料金として1時間単位で数百円からの使用料金の支払いも必要となります。

モデル・スタイリスト・ヘアーメーク・クライアント様・カメラマン・アシスタントとスチールの撮影でも
結構な大所帯で移動しながらの撮影ですので、許可を取らないで撮影をしたら、
最悪は警察から注意を受けて、撮影中止になってしまいます・・
大御所のカメラマンが墓場でヌード写真を撮って訴えられた事もあるので、
人様の敷地で許可なく商用撮影をする事は絶対駄目ですね。
趣味で撮影するにしても注意は必要です。民事で訴えられたくないなら、許可は必ず取りましょう。

許可がとれたら、快適にスピーディに撮影出来るように準備をして、シューティング・撮影です。

2012年9月22日土曜日

フォトグラファーが考える、ムービー・動画撮影とファッション・人物撮影


動画からの切り出し画像(一コマを出力)でも印刷データとして使える解像度のカメラ



2008年末に発売された EOS5Dmark2などのデジタル一眼レフカメラでのムービー撮影が可能になってから、もうすぐ4年。スチールカメラマン、フォトグラファーが、ムービー撮影をする事も珍しくなくなり。
価格も100万円を切り出した、新たなスーパーハイビジョン的な、EOS-1D C・C300・C100などの4K(4096×2160画素)ムービーカメラの機種も増えてきました。  

映画の世界では8k(横7680px)など使われていますが、一般にはまだ高価すぎます

35万画素位でソニーからサイバーショットが出た頃から比べらたら、進化したもので、人間の目のスペックを超えるのも近いのでしょうか、人間以上の性能のロボットなどに使われるのだろうなと、話を飛躍して想像します。

私が初めて、ムービー撮影したsonyHi8の映像をVHSのテープに残してあるのですが、当時はコンパクトカセット蒸着テープを使用していて、綺麗な映像だなあと感じていました。
2012年の今、その映像を見ると単なるレトロ映像にすぎません。いまの1920pxのフルハイビジョンと見比べると、まるで今のハイビジョン画像にフィルターを2枚位かけてしまったような画像が20年前の映像です(ある意味ソフトモザイク)。4K映像のテレビ、ムービーが家庭用に普及すれば、いまのフルハイビジョンも古い映像に感じてしまうのでしょう。

進化するのは、映像機器だけではなく、PC・編集 レタッチをするソフトウェアも加速度をまして、使いやすく、高性能になっています。軽いデータならスマートフォンでも編集が出来るみたいですね。
(Hi8の撮影当時はタイトルも印刷したものを撮影していましたね)

特に3D製作に使用するソフトは今の3Dアニメーション映画を見れば分かるように、限りなく実写に近づいています。被写体(オブジェクト)によっては実写以上、映り込みやカメラアングルの物理的制約が無い分、カメラで撮影する以上の動きやスピード感などが可能です。

物事の進化に対応していくのは、好きな事でなければ、苦痛を伴うものですが、
私の場合は、映像関係の事には、寝食忘れる程、没頭出来るので、幸いです。
(購入予算が着いてきませんが・・)

あるニューヨークのフォトグラファーは4Kムービーカメラを使用してファッション・モデル撮影をしていました。
1分ほどカメラで録画して、その中の1800コマ位のなかからベスト・ショットを選んで、雑誌・広告の印刷用データに書き出し・切り出しをして、撮影が完了しています。
(ブレを無くす為、シャッタースピードをギリギリまで上げて、照明にも工夫がされていました。)

RED ONEと言うカメラが登場して時点で起きている撮影方法が更に身近になりつつあり、実際にEOS-1DCで、
試すフォトグラファーも増えるでしょう。

来年あたりから、ファッション撮影・アーティスト撮影・宣材撮影・人物撮影の撮影環境が大きく変わると感じてます。 EOS-1DC欲しいですね。

続きは次回で(購入出来たらレポートも)

                              16:9 ほぼ黄金長方形のフォーマットが基本になりますね。

2012年7月7日土曜日

フォトグラファーによる人物撮影の露出の測り方

人物撮影での、適正露出と言うのは、被写体、服の色、背景、照明、自然光の当たり方などで、変化します。

また意識的に暗め(ローキー)にしたり、明るめ(ハイキー)にする場合も多く、女性のポートレートなど、ギリギリまでハイキーに飛ばした写真を日常的に雑誌のグラビアなどで見ることが出来ると思います。

フィルムでポートレート撮影していた頃は入射光式の露出計(カメラ内蔵の露出計は、反射光式)で被写体・モデルの顎の下あたりでトップライトを切った露出から、2絞り(2段)明るめに撮る事が普通の事でしたが、デジタルカメラの撮影では、ハイキーに飛んでしまうと、飛んだ部分の画像がトーンジャンプしたり、真っ白になって何もデータが残らない状態になるので、ギリギリまでハイキーな写真を狙って撮影する事もなくなりました。

あえて、適正と思える露出よりも、やや暗めに撮影するのが、いまのデジタルカメラの撮影方法に
なっています。

露出計を持ち歩く、フォトグラファーも減って、持っている人の方が珍しい位になってきました。

入射光式の露出計を使うのは、被写体・モデルに当たっている照明の明るさを正確に知ることの出来る、唯一の手段なので、必須アイテムです。トップライトとサイドライトを正確に2絞りの差にする事など、撮影して画像を見ながらのチェックより、入射光露出計を使ったほうが遥かに正確で安定した撮影データが取れます。

フィルムの撮影時では、アシスタントの仕事は、適正露出の決定とフィルムの管理でした。
アシスタントはフィルムの番号を書いたり、現像の支持を記録したり、ポラロイドの裏に絞りと
シャッタースピードなど、書いたりするので、責任も重く、通常、野外でモデル撮影などの場合、
アシスタントは、2名(ファーストアシスタントと、セカンドアシスタント)が必要でした。

デジタルカメラでは、レフ板、ストロボの調整、荷物運び位になり、アシスタントが1名でもロケ撮影が普通に出来るようになりました。

それでも変わらないのは、入射光式の露出計を使用することです。

私の周囲では、アシスタントとカメラマンが露出計で、情報を共有している、撮影現場を最近は見なくなりましたね。

露出計は割と高価な機材なので、デジタルからスタートしたフォトグラファーはまず、
買わないのでしょう。私が最初に買ったミノルタストロボメーター4型は7万円ほどしました。

ストロボ撮影が多い撮影では、ライト1灯ごとに、光量を調節するために、サイドはF11、トップはF16
バックはF22などと、調整するのでストロボメーターなしでは、撮影のデータを残す事も出来ません。

光の量を測るために是非、持っていて欲しい機材ですね。


夏の日差しも演出も計って演出します。





2012年6月16日土曜日

人を撮る仕事 フォトグラファー

人物撮影の呼び方・ジャンルは様々ですね、ポートレートとも呼ぶし、モデル撮影とも、顔写真、ファッション撮影とか、グラビア撮影、宣材撮影、オーディション用撮影、ジャケット撮影など、多種に及ぶ人を撮影する仕事が存在します、プリクラと携帯デジカメ、10万円以下の高性能一眼デジタルカメラの登場で誰でも気軽に写真を撮るようになって、写真撮影の難しさのハードルは消えました。その一方、人を撮影する事を仕事にする事はライバルが多く、厳しい世界になっています。
アシスタントの募集すると9割以上の方はファッションや人物を撮影したいと希望してきます。そして、その8割以上は挫折していきます。

私自身は20歳の頃はスチルライフ志望で、商品撮影、静物イメージを主に活動して行きたいと思ってきました。
周囲のアシスタント仲間は「え、まじで」と言うような反応でした。

私自身を含め、多くのフォトグラファーは広告や雑誌・WEBで、人物以外の商品撮影をしてフォトグラファーとして収入を得ている方が多数います。写真(今は動画も必要)で生活していくと言うのは、楽じゃないし、先行きも不透明で不安定です。人には勧めません。

人物撮影の仕事をもっと増やしたいと感じたのは、
あるフォトグラファーにフランス・パリで出会ってからです。
当時はフィルム撮影です(1回の現像・フィルム代で3000円位)、彼は15枚撮りのフィルム1本で、モデル(フランスでマヌカン)のコンポジット用の撮影をしていました。
同じモデルの同じポーズのバリエーションや同じシチュエーションは1枚以上は撮影せず。全て背景もポーズも衣装も違うカットを丁寧に1カットずつ撮影しており、仕上がったフィルムを見ると、全てのカットが、OKカット(使えるカット)でした。確認用のポラロイドも使わず、
露出メーターのみでイメージに合う適正露出を割り出して、撮影で全てを完結させていました。

日本で見ていたファッションフォトグラファーは、アシスタントにフィルムを何回もチェンジさせて、12枚~36枚のなかから、1枚をセレクトする、連写式のフォトグラファーが多いので、彼の撮影方法は衝撃でした。(単に節約の為かもしれませんが)
モデル一人撮影して、1999年当時で1000フランのお礼を事務所から、彼は貰っていて、私にもやってみたらいいと進めてくれました。

その頃から、人物撮影の作品撮り(テストショット)を始め、
単純な私は、人物しか撮影していないフォトグラファーよりも、静物撮影を主に撮影しているような自分が人物撮影をした方が、自分にしか撮影出来ない独特な人物写真、ファッション撮影、肖像写真が撮れるはずだと信じて、人物撮影の作品を撮り続けています。

時代は進んでゆくのが常ですが、今では動画の1コマを切り出して、
写真として十分使えるように、なってきました。
3DCGなど想像する映像は全て実現可能になる時代になって、フォトグラファーに必要なのは、絶対的な審美眼と、信じられる仲間やチームなのかと思っています。

まとまらない雑文ですが、まずはここまで。





2011年11月9日水曜日

ライティングについて、綺麗にピカピカさせて

光・ライティング・照明について、物理的な原則を簡単にちょっと

私は商品撮影を、毎日、毎週のように、撮影しています。
撮影での被写体・商品は必ずライティング・照明を必要としていて、
人物やファッションなどでは、その場の雰囲気の自然光を生かして、
レフ板などで光を反射させていれば、なんとかかんとか、雰囲気の良い
写真がビギナーでも撮影可能ではないかと思います。

ライティング・照明技術は数年の修行と言うか、勉強が必要です。
被写体の種類が決まっているなら、それだけオンリーで撮ると言うのなら、
短い期間で習得できると思いますが、

あらゆる被写体、商品に対してライティング・照明出来て、
カメラ・PC・ソフトの操作・理解も完璧にした時点で、
初めて標準装備が整って、未知の強敵と戦えるのではないでしょうか?
(RPG的には)
そして経験値を高めた、レベル15以上位のフォトグラファーを
コマーシャルフォトグラファー・商業写真家、プロカメラマンと
呼ぶようにしています。

前置きはおわりにして、

光・照明を被写体に当てた場合に、起こる現象は3つに分かれます。

まずは、「反射」 被写体に光が当たり、カメラのレンズまで跳ね返って、
受像するCCDやフィルムの感光して写真が撮影できます。
分かりやすい現象です。

次に 「吸収」 髪の毛や黒い服・布・商品は光を吸収して、光の反射量を
減らします。そのため人物・ファッション撮影などで、顔の肌の質感重視で露出を
決定すると髪の毛や黒い服は、質感が表現されずに、黒くツブれた感じに
見えてしまいます。そのため商業撮影では、トップライトと言って、被写体の
頭上にライト・照明を設置して、髪の毛を明るくしたりします。
洋服の場合はスポットライト(グリットライト)を使用したり、フォトショップなどの
画像処理ソフトで黒くつぶれそうな部分を修正したりします。

最後に 「透過」 透明なペットボトル、綺麗な香水のビン、氷の入ったグラスなど、
透明であったり、半透明な被写体を撮影する場合は、
カメラ側から(前から)光・照明を当てても、被写体の質感を表現しづらいものです。
透過する被写体には、多くの場合、バックライトを当てます。
被写体の後方から光を当てる事で、中の液体の色や質感が見やすくなるからです。
バックライトや透過光の当て方はさまざまですが。

大別して、「反射」 「吸収」 「透過」 の3つを理解していると、ワンランクアップして
商品撮影が出来ますよ。

今回は、ここまでにします。

次は、光質の調整と反射角度、入射角度(光のうち方)を話たいと思います。




                                         鏡を意識すると反射がわかってきます。

ライティング・撮影での光・照明について・・・

広告写真・商品・モデルを撮影するのに、照明・光、つまりライティングは必須ですが、
なぜか、決まりごとのようなことが、いくつか存在しています。

商品撮影で切り抜きの商品を撮影する場合は、決まったように、メインとなる照明ライトが向かって左側(下手・シモテ)から、打つ(光をあてる意味で)ことが多いですね。

何故なのか?

この質問をアシスタントの頃、カメラマンから聞かれて、太陽の東から西に動くからなのかとか?
いろいろと考えてみていたのですが、一番、誰でも理解出来る答えは、私たちの文化、生活に深く関係してることでした。

いま読んでいる文章は、左から右に読んでいますよね、文章を書くときも、同じく、左から右。

撮影商品には多くの場合、パッケージに商品名や説明書きなどがある訳で、横書きの文字を見るのに、向かって右から(上手・カミテ)からの照明だと、違和感を感じるはずです。

カタログやポスターなども横書きのコピー文字が多いので、必然的に向かって左(下手・シモテ)からのメインライトでの照明が多くなるようですね。

誰から聞いた訳でもなく、そう考えて納得した20歳のフォトグラファーアシスタントの頃の思考の記憶です。

注 上手・下手の意味は撮影時に使う、舞台用語と同じ意味を持つ、舞台に向かって右が上手で
左が下手となっています。
                    早めのメリークリスマスです。これも下手からのライティングですね。